食べ物の力

父、食事制限ありにある。
腎臓の数値が悪くなり、透析になるかならないかのギリギリだったけど、ひと月病院で味のない食事をしたり、薬を見直してもらったり(これは継続中)、ひとつ数値がよくなり食事制限でよくなった。

土日は用意ができてもいない中、父が病院から突然一事帰宅してきた。
退院後すぐは精神がおかしくなっていて、体が大変なのに期待していたようなお迎えがなく、母に怒ってばかりいたらしい。
わたしがいった日曜日の午前、居間には計りと軽量スプーンと5グラムの塩、父の脱ぎ散らかした服と母、ソファーのある部屋にはパジャマの父がいて異様な空気だった。

現実をはなれた戯言を言うのでまともでないと感じつつも、腹がたつものだ。
きりがなくなり買ってきた葛餅をだした。
糖分は制限されてなく、カロリー補給のためすすめられている。
三皿にわけ、父のは黒蜜ときな粉を脇に添えてだすと、おとなしくなり、顔が落ち着いてきた。
うまい、といって、黒蜜でしめったきな粉もフォークで擦りとり舐め、食べ終えた時は、人間らしい顔に戻った。

鰹節と昆布で出汁をとったスープを味見させると味はわかるという。
塩はなくともいくらでも対応できると話、多少お金がかかってもしばらくは冷凍食品を買って、すこしずつ対応しようという話もできた。

昼は生サーモンのホイル焼きにした。
具材には味はつけず、ネットでかった塩分が大幅にかっとされたポン酢にさらに酢をくわえるたソースを添える。
サーモンが柔らかく味もあるけど、物足りなさは否めない。

酢よりレモンの方がよさそう。
母と私も同じ食事をとり、大変だと思いながらも、こういう食事なら体にいいと話した。
笑いもでて、食べ物のちからを感じた。