コーポ

30代後半に住んでいた街に行った。
街路樹が目印で、スーパーやホームセンター、雑貨店、裏通りには美味しいパン屋やカフェ。
高級とはちがう、作り手のこだわりと生活感がうまく密着した良いものが集まる土地だったと思う。

 

わたしが住んでいたコーポの部屋の住民は

どんなだろうかと覗きにいってみたら、

8部屋の中そこだけ空いていた。
10年前でも古い建物だったから、入らなくなったのか?

 

日当たりがよく、縦長に部屋が二人つ、小さなキッチンと風呂、トイレ。
風呂は狭いから縦に体育座りで入らなけれぼならない。
回りは国立大の男子学生ばかりで煩わしい大人はいない。

大家さんもよい方だった。

男子学生の中に社会人女性ひとりというのを面白がる。
そんな自由さが好きだった。

 

またあんなとこで暮らしたいなあ。

いや、問題はある。
今のからだにあの夏の暑さと冬の寒さはこたえる。
薄い天井と壁に住める時期ってのはあるみたいだから。

 

またあんな街で暮らしたい。